態度教育推進事業

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態度教育とは?

自立した人間の基礎「態度教育」
子どもたちは将来、大人になり社会に出て仕事や生活をします。大人になり困難にぶつかった時に未来を切り拓く力はどこから生まれてくるのでしょうか。気持ちを切り替える力(感情のコントロール)、目標に向かって頑張る力(継続して努力していく力)、人と協力して活動する力(協調性)などの社会性の高い人が未来を切り拓くのではないでしょうか。それらは目に見えない力「非認知能力」です。その土台になるのが幼児期の教育、保育環境です。私たち大人や保護者、教員や保育士は、子どもたちに愛情をしっかりと注ぎ、子どもたちが自分のことは自分(自立)でみんなのことはみんなで(協調)できる「生きる力(人間力)」のある「自律した人間」に育つ環境づくりをしていかなければなりません。

その基礎になるのが【態度教育】です。態度教育とは「挨拶」「返事」「履物をそろえる」「姿勢を正す(立腰)」「食事のマナーを身につける」の五つです。このあたりまえ生活習慣、生活環境が目に見えない大切な心(非認知能力や社会性)を育ててくれます。しつけとは「礼儀作法をその人の身につくように教え込むこと」とあり、身を美しく(躾)とも表しますが、愛情のないしつけはただの「押しつけ(強制)」です。子どもたちに関わる大人が愛情を持って、大切な5つの習慣を楽しく身につけることができる環境づくりを推進してまいります。
※自律・・・思考、感情、行動を律することができるという意味で使っています。

一.挨拶
挨拶は言うまでもなく人と人を結ぶ絆の第一歩です。
笑顔で元気よく自ら挨拶できる子どもに育ってほしいです。
挨拶のポイントは「ながら族」で行うのではなく、立ち止まって身体をその人に向け行うことです。
子どもには「足をそろえて」と指導します。
立ち止まって行うことにより、目の前の人に心が向き、丁寧な挨拶ができるようになります。
一.返事
返事は「ハイ」です。漢字にすると拝啓の「拝」です。人を大切にし相手に敬意を表す語です。
「ハイ」という返事はわがままを抑える効果もあります。
自信を持って「ハイ」と返事ができる子どもに育ってほしいです。
ハイの実践で子どもの心のコップが上に向き、素直な子どもに育ちます。
一.履物をそろえる(後片付け)
皆さんの家の玄関の靴の状態はどうですか。右に左に靴が散乱していませんか。
靴をそろえるということは、後片付けと次への段取りの習慣につながります。
整理整頓・清掃・清潔が大切です。
履物指導のポイントは両手を使うということです。
片手でするのではなく丁寧に心をこめて両手で履物をそろえます。
そのことにより物と心のけじめがついていきます。
一.姿勢を正す(立腰)
姿勢を正すと気持ちが良くなります。
姿勢を正すと健康にも良いのです。姿勢を正すとは腰骨を伸ばすことです。
つまり、心身共に元気の源が姿勢を正す、腰骨を伸ばすことなのです。
また、正しい姿勢を保つには自分の心と身をコントロールしなければなりません。
わがままをおさえる意志の力も養います。
一.食事のマナーを身につける
食育で一番大切なことは「命」への感謝です。
命をいただくことによって私たち人間は生かされていることを伝えないといけません。
そして食を中心にした前後のしつけも大切です。
前はトイレです。後は歯磨きです。
これをしっかり指導します。
そして、箸の持ち方や手を合わせ「いただきます」の挨拶などの食のしつけもしっかり行います。
食事の手抜きは致命的です。愛情は「食」に表れるといいます。
食事は愛情です。食事は命への感謝です。

家庭/学校/職場 教育

豊かさの副作用
昔は金属バット殺人事件がニュースになりました。子が親を金属バットで殴り殺した事件でした。今は親が子を橋の上から落とし殺害したり、暴力(身体的虐待)をふるって殺害したり、食事を与えず殺してしまう(ネグレクト)というような事件が後を絶ちません。親も子も「キレる」時代です。一体、日本はどうなったのでしょうか。  戦後、高度経済成長とともに日本は豊かな国になりました。ほとんどの子どもは一定の食事ができ、栄養失調という言葉は死語になりました。お菓子を食べたことのない子どもはいません。家にはおもちゃがあふれています。この豊かさが日本人の心を弱くしました。豊かさの副作用です。我慢することが親も子もできなくなってきました。コンビニ、ファーストフード、宅配便というように、速さ、便利さがサービスの時代です。家にいながらテレビ・スマホ・ネットショッピング、本当に便利な時代で欲求を満たすために我慢をする必要がありません。

 

豊かで便利な時代でありながら、反対に子どもの貧困率が高く、先進国の中でも高水準です。児童虐待件数は増加し続け、育児ノイローゼなども問題になっています。核家族化と老人向け施設などもあり、親子三代同居家族は珍しくなっています。家族の形態も変わってきました。誰にも気を遣う必要のない生活の気楽さが反対に誰も助けてくれない子育て環境を生み出してしまっています。そして何より心の弱さに拍車をかけています。自分本位なわがままな人間が増大しています。子育て支援、保護者支援も大きな支援課題です。

家庭教育が基礎
町を歩いている子どもが、地域の方やお年寄りに挨拶をする姿も少なくなったように感じます。このような時代背景のもとに家庭や地域では、子どもの社会性を育てるための「しつけ」が崩壊しています。お年寄りも地域の方も、子どもに関わることが少なくなってきています。地域の自治体活動も衰退してきており、子どもを見守る目も少なくなってきました。自治体がネットワークづくりや活動の推進を積極的にする必要があります。

いつの時代も人間に必要なものは同じです。人やもの、地域を大切に思いやる気持ち。それを育てるための環境づくり、これが【態度教育】です。挨拶・返事・履物をそろえる・立腰(姿勢)・食事のマナー。私たちのNPOでは、この大切な5つのしつけをお伝えすることで地域や家庭教育の支援をしたいと考えています。全国での子育て講演会を始めコミュニケーションセミナーやカウンセリングなど、時代に合った子育て支援を提供しております。

人間力のある自律人間の育成
昨今の教育は「知っていること」「できること」に重点を置かれています。「知っていること」は知識です。どれだけ物事を暗記しているのかという知識力をいいます。「できること」は試験問題を解いたり、何かを作れたり、鉄棒で逆上がりができるなど、何かを生み出すための技術力をいいます。これも大切なことです。

学校教育においてこの知識領域と技術領域はなくてはならならないものですが、幼児期に注目しなければならないのは「もっとしたい」「楽しい」という情意領域です。つまり意欲や好奇心や情熱などの「心」の領域で「人間力」といいます。

人間力のある子どもは「良いこと思いついた!」といって夢中にあそびに取り組む姿が見られます。知識や技術は目に見えて測れますが、大切なものは目に見えない心の領域です。この意欲にあふれる人間力を持った人間を【自律人間】といいます。

今一番学校教育に必要なことは【人間力を持った自律人間の育成】ではないでしょうか。 「心」を鍛える教育ではないでしょうか。それが【態度教育】です。

幼児教育・保育がすべての基礎
一昔までの日本には、心を育てる家庭環境と教育環境、社会環境がありました。多くの同世代との切磋琢磨、良い意味の競争原理とハングリー精神もありました。「努力、根性、友情」という心を育てる言葉もありました。しかし現在は核家族で共働き社会、少子化です。兄弟姉妹が少ないだけでなく一緒にあそぶ近所の友だちもいなければ、安全にあそぶ場所もありません。目に見える生活環境は便利に豊かになりましたが、子どもの心を育てる社会環境は悪くなるばかりです。子どもたちが夢中であそびに熱中できる仲間と時間と空間がありません。人の役に立つという実感や喜び、人を思いやる気持ちを育てる生活場面や体験が減ってきています。

過去に知識編重の詰め込み型の教育から、個性を重視する「ゆとり教育」を試みましたが、副作用として学力崩壊となり、学習内容は方針転換がされましたが、もう一方の子どもたちの社会性や協調性、人を大切にする心の教育の転換はできておらず、依然として学校のモラル、マナーが崩壊し、いじめ問題や学級崩壊があります。大人も含め自分自身の感情も行動もコントロールすることもできず、他人に迷惑をかけることが増えています。学力は大切です。技術力も大切です。しかし、最も大切なのは【心】を中心にした人間教育がなくてはらないのです。目に見えない力である「感情のコントロール、目標に向かって頑張る力、人と協力して活動する力」などを育て「学びに向かう力、人間性」を育てる教育、それが【態度教育】です。

人間力のある自律人間の育成
一般企業でも同じように「技術力」に焦点をおき研修を行っていましたが、今ではそれだけでは通用しません。いくら技術を教えてもやる気がない、すぐやめる、礼儀を知らない、不平不満を言うなど、人間としての基礎の力「人間力」を培わないと職場に溶け込めないようになってきました。そのため企業研修では「ヒューマンスキル・人間力アップ」を目的とした、コーチングやメンタルトレーニング、心理学研修が注目されています。
「職場のモラル、マナー」では、1日10分間の朝礼で、態度教育を実践し、明るく元気に一日のスタートを切り、社員が一丸となって同じ方向を向き仕事に取り組んでいます。また、毎月の目標を明確にし、その目標に対し毎日振り返りをすることで改善を行っています。一日一つの改善は、1年続けると大きな成果となります。さらに心理学研修を定期的に行うことにより、自己の思考・感情・行動を知り、自己理解、自己成長に役立てています。組織マネジメントの基本は「人材育成」です。社員教育、研修に力を入れ、時間と情熱をかけ、立派な人材を育成していきましょう。